IC産業の基盤を形成したものとしての軍事的需要

IC産業の基盤を形成したものとしての軍事的需要
「アメリカにおいて今日のICの産業的基盤を作ったのは,気の遠くなるような軍事予算を背景としたミサイルをはじめとするロケット兵器や人工衛星など宇宙開発装置一最近”スペースエレクトロニクス”と呼ばれている-の分野の必要性からでした(第7図)。ソ連においてもまたしかり。ソ連はそのお国柄によって細かいことはわかりませんが,その予算はアメリカのそれをはるかにしのぐ。とさえいわれており,それに伴うエレクトロニクス開発への成果は,想像にあまりあるものがあります。
軍事面におけるIC採用の最大メリットは,現在のところ,高信頼性と超小型化です。
改良されたIC化による大量の電子装置が,ベトナム戦争を契機として中東戦争,更には英・ア紛争にも大活躍しました。またアポロ計画をはじめ人間衛星船,打上げ用ロケット,そのほかの通信衛星,気象観測衛星などの衛星本体およびロケットの電子装置にはほとんどIC(LSI)が用いられています。」泉川新一(1983)『マイコン・パソコンとOA入門 基本18章』電波新聞社、p.8
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